Life&Work vol.02『Koneko』
02 Jun 2016

1階と地階にある猫カフェを自由気ままに行き来し、
屋外のパティオでは、ぽかぽかの日差しを浴びて寝転がる。
その見るからに健康で、幸せそうな猫たちの姿に思わず感動してしまった、
ニューヨークの猫カフェ「Koneko」。
猫たちも、訪れるお客さんも、どちらもハッピーになれる、
その秘密はどこにあるのでしょうか?
“アメリカ初、日本の猫カフェ”というコンセプトで昨冬オープンした、ニューヨークの猫カフェ「Koneko」。その大きな特徴のひとつが、ここで暮らす常時15~20匹の猫はすべて保護猫で、お客さんが気に入った猫を引き取ることが可能なこと。それだけではなく、実はどの猫も死の瀬戸際から救済された猫なのだといいます。「Konekoの猫は、At Lisk Listに載っていた猫たちなんです」と話すのは、「Koneko」のマネージャー、アリソン・ニシヤマさん。AT Lisk Listとは、ニューヨーク市と提携している動物保護団体、Animal Care and Control of NYC(ACC)が公開しているリスト。ACCは、いかなる犬猫も引き取るというシェルターのため、毎年多くの野良猫や飼い猫が持ち込まれ、2015年度はその数、約2万匹。膨大な数の猫を留め置くことが困難なため、数日後には安楽死をせざるを得ず、それらがリストに掲載され、保護を求め公開されるそう。「そのAt Lisk Listの犬や猫を救済し、里親探しを行う複数の保護団体と私たちは連携しています。遊び好きで、フレンドリーな猫を主に引きとり、猫カフェという場所を通じて里親探しをしています」。
「Koneko」のもうひとつの特徴は、店名からもわかる通り、日本の猫カフェのエッセンスを取り入れているところ。「Konekoをオープンするにあたり、日本に数カ月滞在し、各地の猫カフェを訪ねてリサーチをしました」とはオーナーのベンジャミン・カルブさん。日本の猫カフェで得た発見やインスピレーションをニューヨークの街に融合させ作りあげたスペースは、猫のことを最優先に考えているところがポイント。1階と地階の2フロアを使った広々とした店内には、猫だけが通れる秘密の通路があったり、日なたぼっこや鳥の観察ができる屋外パティオ(その名も“Catio”)が設けてあったり。また、前職はシェフというベンジャミンさん特製の餃子や漬物といった日本食のほか、ビールや日本酒が猫カフェ内で楽しめるところもユニークです。「ニューヨークでは、猫カフェの前例がほとんどないため、猫を飼うスペースで飲食ができるよう、保健局の許可を取るのが大変でした。猫の世話をするスタッフは、お客さんの飲食に触れないなど、さまざまなルールを設けることで猫カフェとしてオープンすることができました」とはアリソンさん。
猫とたわむれながら飲食を楽しめる猫カフェは、予約制で1時間15ドル。猫カフェの手前には、ガラスの仕切りを通して、猫たちが遊ぶ様子を眺めつつ飲食が楽しめる、予約不要のカフェスペースもあり。アーティストによる写真や絵画、グラフィティなど、店内随所に展示されている「Koneko」ならではの猫アートも必見です。
















Koneko
2015年11月、ニューヨークはマンハッタンのロウワーイーストサイドにオープン。安楽死間近の猫たちを救済し、里親を探す場所として、また日本食や日本酒を楽しめるカフェとしても機能する猫カフェ。毎週水曜日には8歳以下の子ども向けにキッズデイを設けているほか、映画鑑賞会、折り紙ワークショップなどのイベントも随時開催。予約はウェブサイトより。
address
26 Clinton Street, New York
open
カフェ 月・水~日 9:00~22:00
猫カフェ 月・水~日 11:00~21:00(15:00~16:00は猫のおやつと昼寝のためクローズ)毎週水曜のキッズデイは11:00~20:00
カフェ&猫カフェともに、火曜休み
- Photography:Yuki Matsumura
- Text:Aya Nihei